第10章 永遠を色づけて
「もちろんです」
頷くカルマはあたしに優しい目を向けて笑う
「いつだって大事にしてるよね」
「うん」
大事にしてもらってる
「ちゃんといつも幸せだよ!」
笑うあたしに、観念したように父
「が幸せなら、それでいい・・・」
「っ・・・!」
その言葉を父親に言うのは思えばとても久々で
思わず声が詰まる
「・・・ありがとう」
絞り出した言葉に、父は微笑んで一度深く頷いた
「ありがとうございます」
カルマも深々と頭を下げる
「を選ぶなんて、君は見る目があるなぁ」
そう言った父
あたしは照れ臭くてうつむいた
「人を見る目には自信があるんです」
そう、隣で笑うカルマに父も満足そうな顔
柔らかい空気が満ちていて、とても温かかった
「また、おいで」
家を出るとき、父はカルマにそう言った
母も父の隣で待ってるねと笑う
「是非」
そうして、あたしたちは家を出る
結婚式に新婚旅行、人生計画
まだまだ考えることはたくさんある!
当然、これから先も一緒にいたいと思うから
人生の3分の1以上隣にいてくれた
そんな君と一生を共にするための
その一歩目を今日踏み出したんだ
「お疲れさま!カルマ!」
後日、お父さんが孫を楽しみにしていることを母づてに聞いた
・・・お父さん、それはまだ気が早すぎるよ・・・