第29章 小さな声
"タンッ…タンッ…タンッ…"
とそこに…
千助
「末吉、美菜知らないか?」
(邪魔臭い…
話しかけるな……ポクに話しかけるんじゃねぇ!!!)
巣作り中のオスは気が立つもの…
巣によってはメスが嫌がり去る場合があるからだ。
末吉
「ママ?
ママンは…買い物にいっちゃったょ。
ポクを一匹置いて…」←悲劇のヒロイン気取り
千助
「1人で!?
あっぶねぇーな!!」
"バタバタバタバタバタバタッ…"
(あっ!あぶねっ!!!ケム子!!!)
千助の野郎は足元を確認せずに走り出した。
千助
「ケム子!!危ない!!!」
千助は全然違う方向に走っていったのだが、
ドラマ的な何かに憧れて…
俺はケム子の上に覆いかぶさった。
(ふぅ…よかった……
踏まれるとこだったぜ(;´д`))