第3章 〜任務〜
その依頼を引き受けたのは、単純に少しばかりの興味を持った。
それだけだった。
内容は、ある国がここ一年で驚く程飛躍的に戦に勝ち、辺りを瞬く間に制圧している。
そして、誠しやかにささやかれる「不死の戦士たち」の噂。
倒れた戦士たちが次の日には軍をなして他国に攻め入るという。
受けた任務は第一に、この国をまとめる幹部並びに王の暗殺。
そして、願わくば、この国の秘密を暴き、持ち帰る。それが叶わないようであれば破壊する。という任務であった。
暗殺だけであれば、今まで積み重ねてきた経験から、さほど難しい内容ではなかった。
だが、未知なる不死の戦士の謎。
ただその一点のみ、死神すら予測がつかなかった。
『さて…王宮まで潜りこんだはいいが、不死の戦士、こればかりは自分の目で確かめてみないと分からないな。』
そう呟くと、音もなく見張りの兵を瞬殺していく。
それはまるで、蝶が花を探しにふわふわと飛んでいくように軽やかに、無駄な動きはなく、流れるような早さで行われた。
死神が王座の間に足を踏み入れると、ちょうど、幹部を連れた王が地下室らしき扉から出てくる所であった。
王『こやつさえ居れば、我が国は一生安泰だ。』
死神(あの地下室に誰かいるのか…)
王が自室へ戻るのを確認し、すかさず幹部の一名の首にナイフを当てる。
死神『あの地下室に何がある?』
幹部『きさま…どこから…』
死神『無駄口はいらない。答えなければ殺す。』
幹部『きさまなどに口が裂けても答えはしない。』
死神『ならば、さよならです。』
プシュッ…。
幹部が膝をつき倒れる。
その音を聞きつけた他の幹部が駆けつける。