第6章 〜舞い落ちる翼〜
3カ月が過ぎようとしたある日、仕事に出かける私にまぁが言った。
『ねぇ、死神さんは好きな人いないの?』
死神『仕事柄、女性を魅了するために恋人のフリをしたことは何度もある。
それこそまぁが知らないような事までね…。
だけど、その相手を好きになることなどあり得ないよ。』
『そぅ。じゃあ、わたしのことは…?私、死神さんの事好きよ!』
死神『まぁの好きは、敬愛だろう?
恋愛の好きの意味を理解していないのなら、答えられないね…。』
『もぉ〜!!!』
笑って仕事に向かった。
今日は、夕方までには帰れるだろう…。
久々に、料理を作ってやるか。そんな事を考えていた。
仕事が終わり、市場で買い物をしていると………。
老人『本当だ!長い栗色の髪をして、桃色の瞳をした女が涙を足に垂らしたら、足が治ったんだ!こんな女だった!』
老人は、絵を男に渡す。
男『で、そいつは一人だったのか?』
老人『いや、若い男といた。』
男『そうか。情報料だ。受け取れ!』
その時、死神は思い出した。
人間とは、死ぬために産まれてきたものだと。