第5章 ※三角形 case3※
結局、この日の秋紀は最後までスる事は無く。
なのに、翌日の日曜日は、やたらとベタベタくっついてきて、寧ろ邪魔なくらいの状態で過ごし…。
憂鬱な、月曜日がやってきた。
ただでさえ、休み明けは会社に行く気がしないのに。
うちの上司が、勝手に男を紹介してきたりしたからだ。
まぁ、でも。
あのメーカーさん、担当変更の連絡があった筈だから、リエーフと個人的な繋がりがある夜久さんとの縁も切れるし。
次にうちの会社に来る時は、新しい営業さんと挨拶って話だから、それまでの辛抱だ。
上司からは、リエーフとの事を少しだけ聞かれたけど、まさかワンナイトしちゃいましたと答えられる筈も無く。
軽く流しておいて、私の生活は平穏を取り戻した。
後は、リエーフをたった一回の浮気相手として過去のものにすれば、秋紀に返事が出来る。
私を捕える強い瞳を、もう見る事はないのだから、多少時間が掛かっても大丈夫だ。
…と、思っていたのに。
数日後、夜久さんが連れてきた、うちの会社の新担当営業は…。
灰羽リエーフだった。
しかも、私を見付けた途端に名前呼びしてくれて。
紹介してきた上司どころか、他の社員にも誤解をされてしまった。