第13章 蒼き者の過去
☆☆~空side~☆☆
少し肌寒い空気が私が開けた麩から入り込む。
「今日もいい天気だな」
私はうんっと背伸びをした。そのとき、
「おはようございます、蒼井副隊長。総隊長がお待ちです。起きていらっしゃいますでしょうか?」
と声がする。いつもの光景だった。だけど、いつもより少し早いし、声の主は少し慌てた様子。
「あ、うん。わかった。すぐ行くって言ってて」
というのも、今日は大事な集会があるらしく口をすっぱく言われていた。
「よし!でーきたっと」
いつもはうっとおしくてめったに着ない羽織を付けて私は部屋を出る。そして少し急ぎ目に重國のところへと向かう。
「重國ー。用意できたー。」
「入れ。」
麩を開けると、もう準備バッチリの重國。
「…………………」
「…………………」
………………無言。無言。無言。え?なんか怒ってる?
重國は怒らせるとかなり怖い。げんこつどころの騒ぎではなく、ひどい時は流刃若火が飛んでくる。
「…………ふむ。お主にしては寝坊もせず、ちゃんと羽織も着ておる。合格点じゃな。」
流刃若火が飛んでくる前に謝ろうかと思ってると、どうやら私が時間通り(すこーーしすぎてたけど)に来たことが驚きだったみたい。あーよかった。
「ではいくぞ。」
「はい!!」
今日は前任の十二番隊の曳舟隊長が昇任され、空きができたので新しい隊長のお披露目会みたいなものらしい。
誰が来るのかなー。