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アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


14

美形に囲まれての美味しい食事は至福でした。
満足した食事の仕上げにと市ちゃんとシェアしながらデザートを頼んで食べていたら、席を外していた雹牙さんと竹中さんが戻ってきてなんだかチラリと私の方を見た?
首傾げてみたけど、市ちゃんの隣に戻ってきた雹牙さんは特に何も言わないし、なんか癖にでもなってるのか完全に妹扱いみたいで頭ぽんぽんされてしまった。

「僕が雹牙君と一緒に送るから、車に乗ってくれるかい?」
「うぇ? 良いんですか?? でも、多分私だけ反対方向な気がしますけど……」
「構わないよ。昼間の輩の件があって少し気になることもあるからね、君の家にお邪魔して確認しても?」
「んん? うーんと、盗聴器とかその類ってことですか?」
「おや、割と敏いんだねぇ。まぁ、そういうことだよ」
「わかりました。それならお言葉に甘えます」

食べ終わってお店を出ると、竹中さんから手招きされて送って行くと言われました。
なんなの、市ちゃんの知り合いの美形は皆イケメン紳士というやつなんだろうか……真剣にそんなこと考えたけど、市ちゃんを振り返ったら笑顔で手を振られた。
その周囲には晴久君と三成君、吉継君が立っているから三人が市ちゃんを送って行くらしい。聞いたら全員武術やってて有段者だった……うん、あっちは心配なさそう。
にこりと笑顔で手を振りかえすと、晴久君が促して市ちゃんたちは最寄駅に向かって帰って行くのを見送り、私も促されて竹中さんの車に乗せて貰う。
ナビは雹牙さんがしてくれたので私はとっても楽でした!
そうして到着した自宅で来客用の駐車場に入れて貰って自動ドアを潜ると管理人さんが顔を出した。

「おかえりなさい、藍羽さん」
「ただいまです。どうかしましたか?」
「うーん、実は、昼間に貴女のことを聞いてきた男性が居てね。何かあったのかと思って……」
「何を聞かれましたか?」
「あら、貴方は?」

管理人さんの部屋から駐車場から風除室までの通路が見えるので、外灯で私の姿を見て用事があって出てきたのかなと思って聞いたらなんか奇妙なことを言われた。
私のことを聞いてくる男性なんていないはずだけどと首を傾げていたら、少し後ろで聞いていた竹中さんが声を掛けてきて管理人さんが驚く。
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