第17章 〜記憶の中の彼女〜
ーーカラナ大聖堂地下ーー
『それではこれより、元女神カラナの粛清の儀を行います。』
光の精霊である彼女でさえ逃れる事のできない、鎖につながれ、ただ、儀式の遂行を受け入れる彼女をどうすることもできない私は、ただただその場にいることしかできなかった。
『元女神カラナ、あなたは、その立場を忘れ、人間との間に子を授かった。精霊界の禁忌を犯した罪を、命を賭して粛清を受けなさい。』
『最後に、言い残すことがあれば、カラナの教えに伴い、受け入れましょう。』
『娘を……。まぁを…、法王學峯の娘として、どうか人として、生を歩むことをお許し下さい。』
『分かりました…。最後の望み、カラナの教えに誓い、受け入れましょう。』
『學峯…、まぁを…娘をよろしく頼みますね…。』
そう言って彼女はにっこりと微笑んだ。
『それでは、ここに安らかなる眠りを……。』