第18章 絶対安静
フィン「ケイト…」
ケイト「くー」
寝息を立てるケイトの唇へ再びキスを落とした。
ずっと愛おしくて堪らない。
触れる度に心が踊って仕方がなかった。
君のなりふり構わぬ護り抜く『勇気』に、ひたすらに傷付けて殺そうとしてきた相手でさえも想う『行動』に、強い衝撃を受けた。
童心に帰れるほど、ありのままでいられる『唯一の存在』だった。
君の前では…【勇者】としてでもなく、団長としてでもなく…ましてや、光(フィン)としてでもなく…『俺(ディムナ)』でもなく……一人の男として、ありのままでいられた。
共に生きたい。
両親と同じように…
自分に、最後の最後に『希望』を与えてくれたように……
最期まで、小人族にとっての『光』として報いたい…天寿を君と共に全うしたい……
君のいない世界など、耐えられない――
失いかけた時に得た想い…それは『渇望』となって身を焦がす。
愛しい想いばかりが込み上げ、共に居るだけで蘇りつつあったそれが駆り立てる。
強く抱き締めつつ、君無しでは生きていけないと…強い実感を得ていた。
ケイト「……?
あれ?…って何で泣いてんの!?;(がばっ!)
!!(ずきっ!!)
いっだあああああ;」
フィン「くす)…君は学習能力がないのかい?」くすくす
ケイト「ちっ、違わい!//
ただ心配で堪んなくなって忘れてただけ!;」
フィン「これで二度目なのだけれど?^^」ふふっ←624ページ参照
ケイト「ぐぬぬっ!//;
それよりも大好きだから心配が勝つんだよ!!覚えとけ!」ビシッ!
フィン「はっはっはっ^^//
実に君らしい理由だね^^//」にこにこ
ケイト「フィン…どうしたの?大丈夫?
なんか…変な違和感を感じるよ?」
フィン「!(隠し事はできないか)
……ケイト…一度だけ、たった一度だけでいい。
僕の名を呼んでくれないかな?」
ケイト「フィン?」
フィン「違う」
ケイト「えっと…フィン・グレイロア・ディムナ?」
フィン「ああ。
確かに僕は、今後死ぬまでそうあり続けるだろう。
でも、『今』君に呼んで欲しい名は…それじゃない」
それから数分ほど思案した後、恐る恐るケイトは呟いた。