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Unlimited【ダンまち】

第95章 神(しん)





神卵「「お願いだから大事にして?」って言うの?

ケイト「私を大事になんかしてくれないのに?」にっこり
って言われるのが関の山じゃない?

本心ではずっと思ってるよ?」

優しく微笑み掛ける映像が光で映し出されて流れた


神卵「どれだけ身を削っても
そういう態度で、行動で、返されるのが関の山だって、わかってるよ
だからと言って媚び諂って欲しい訳なんか無いから

だから困ってる
たとえ返してくれたとしても…
守りたいから差し出したものを、ただ返却されただけじゃない?
自分は守られなくてもいいから、守る為に差し出したものをそのままお返ししますってされたら…

逆に困らない?


自分の考えて、出来ることをして、何かを差し出して
そしたら自分が危ない時、そのまま帰ってきたら

自分で作り出した何かを返すよりも、面倒だからそのまま返そうって感じがするよ?

そんなつもりが無くてもね…?



ケイトは死んだんだよ?

消えたんだよ?
誰にも報いられることも無く

ただ破片に泣いて縋って、願いのままに形を変えて戻っただけに過ぎないんだよ


原初の始祖神様…初代のウレイオスも、似たような末路を辿って、蘇ったこともある
記憶があるんだから知ってるでしょ?

なら……差し出された欠片を返すぐらいなら
別の何かを削って形にして返したら?

それで削りなんか物ともしない再生力とか


ひとりひとりのその意志が、逆にケイトを苦しめてきたんじゃないの?」

ぐうの音も出ない反論に…

言葉を飲み込んでいた
いや…飲み込む他無かった


ケイト側の視点を見ていなかった


確かに…
皆が生き残る為に差し出したもの(贈り物)を
そのまま突き返されれば拒絶されたように感じる

たとえ自分が生き残る為に必要なのだとしても、素直には受け取れない
複雑な気分になるのも仕方無い


それ以外の形で守る気は無いのだな
ただ差し出されたものを突き返して守れるのなら
何も考えず、苦労も要さず、ただ差し出せば済む、楽な方を選びたいのだな

そんな想いに駆られるのも当然だろう
僕でもそう思うのだから、本人はもっとだろう


たとえ削らなくて済む世界になったとしても削る行為はする

その際に、癌や半グロ、闇の墨汁や煙があれば増える

だが成長の過程上どうしても付き物


なら…僕達に出来ることは……


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