第92章 新たな神武(しんぶ)
ケイト「堪え難きを堪え、偲び難きを偲び、よくぞ…ここまで……慮ってくれましたね…
これからは…大事にして下さい…‥
あなたが蔑ろにしたものも、そうでないものも…その全てを
そのあなたの全てを…私は愛します……友として、大事な家族として――^^」
ポセイドン「…は‥…ははっ…
ずびっ
はい…始祖神様^^//」涙を流しながら両手を未だ取ったまま首を垂れて笑う
和解し合った…
ポセイドンへの印象が、大きく変わった
エルも、呑み込めない範囲はあれど
償いをし、今後は繰り返さないように励み、大事にするのであらば
と、矛を収めた
そうして――お互いに、手を取り合える状態が出来上がった
警鐘を鳴らす存在…←5601ページ参照
それは――癌化に対してだけじゃない
人としての道に置いての、重要な点に関してだ
ケイト『背負うべきものも背負えない
中身の無い人間になりたくないから
命を捨ててまで、先の全てを捨ててまで、大事にしたいと願ってくれた
そういう人こそ、大事にされるべきだし、大事にしたいって想う(願う)から――』
そんな主軸、根幹の大事さを、教え、伝えていた――
義兄リヨンの仇である隠れ癌に向けても
ケイト『私の私情や感情は要らない
兄さんは…全部知ってる
裏で何があったのかも
お前がどういう状況にあったのかも
兄さん『は』、お前を怨んではいない←私は怨んでいるという意
妹に…私に似ていると言っていた
大事にしようとしていた
お前の無事を喜んでいた
だから守る、可能な限り
大事にもする
私がやっているのは……
兄の願いを、想いを叶えているだけに過ぎない
私は…私が、あんなに大好きだと思ったのは、愛していたのは……兄さん以上に想う人は居ない
私の誇りだった…
兄も…私のことを、誇りだと言ってくれた
私は兄の目を信じてる
世界中の誰よりも――(微笑)
大事にする理由なんて…それだけで充分だ』目を細め涙を浮かべながら、苦しそうに笑う
ふいっ
だっ!!
その言葉とは裏腹に、涙が零れ落ちていった
部屋へ帰り、ようやっと咽び泣いた
心のままに――――
ケイト『ぁぁぁぁあああああああああ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあああああああああ』
痛切な叫びが、断末魔が、慟哭が、耳朶を打った