第90章 未来への展望
『恐いものは無いのか…;』
アイズ「殺される危険性もあるのに」
ケイト「構わない」
『!』
ケイト「その時は死ぬ」きっぱり
淡々と、底冷えした目で、真剣な表情で言い切った
宇宙でアイズの母、アリアの魂を治す方法が掴めそうなんだ
死のうがどうなろうが知ったことか
アリアは「主犯格の癌」のせいで魂を7割も喪ってしまった
惚れられたアイズを…癌化から守る為に――己が身を削って←5176ページ参照
治さなければ3年で死に、3年しか生きられない生涯を永遠に繰り返し続けることになってしまう…‥
ケイト「自我も記憶も消える
そりゃ怖いよ
でも一番怖いのは…
皆が消えることも、世界が消えることも、1人だけ生き残ることも、そりゃ勿論怖いんだけども
一番怖いのは…
皆のこともわからなくなって
何の為に頑張ってきたのかも
わからなくなるのが一番怖い
平気で投げ捨てれるようになってしまうのが…
一番嫌で…怖くて…仕方無いんだよ……
大事なものが何なのかも…
全部消えてしまうのなら…
玉砕覚悟で突っ込んで消えて行くなら…
それは同じじゃないかって……
消える覚悟で…死ぬ覚悟で…全部わかってて…此処に来た
守りたくて…
今も命を捨ててまで、尽くしてくれる人達の為に…
精霊様や神様や
『そうだったのか…』
ケイト「うん…
色んな人達が、その為に……
返し…たかったんだ……
報いたかったんだ………
全部忘れてしまうなら…
どうなってしまうんだろうって考えたら、怖くっ(わなわな震え)←拳握り締めるも震えは止まらず
どうしたらいいんだろうな……
本当…(くしゃっ)←俯き、項垂れ、左横髪を左手でかき上げる
勝手に覚悟決めて、飛び出して…
話し合って…決めたことなのに……
それすらも忘れてしまったら………
また……なっちまうのかな………
変な方に、悪い方に、なってしまったら……
それこそ無駄死にさせに、行ってしまってるようなもんで………
そしたら…そう思ってしまった……
それだけなんだ…………
ごめんな…きゅうに、こんなこと
ごめんな………っ」
ぼろぼろ←涙も鼻水も垂れ落ちる
そう、言葉が詰まる
息も、想いも…また、同様に……
痛みも止まらず、圧し掛かる様に、存在感を如実に示し、強く発し続けていた
慟哭(声にならない叫声)となって―――
