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Unlimited【ダンまち】

第82章 光芒(こうぼう)





そうして…重婚式は恙なく、開かれた

石造りの神殿
水の中とは思えない透明感
寿福感に囚われる中で、厳かな光が辺りを包み込んでいた

おめでとう、おめでとう
と祝福の声を上げる、新たに生み出されたばかりの精霊達、始祖神の涙、それらに僕等は笑みを返した


ケイトが何を考えこんでいたのかは知らない…

だが…
敢えて聞かないでおこうと思った



少しぐらいは…休みたいだろう……ここの所、ずっと立て込んでいたからね



怨霊を救おうとさえしなければ…;←深々嘆息
だが言っても仕方ない←頭を振る

目の前のことに集中しよう


今はもう…きっと、大丈夫だ……そう、信じて――



それが6時間半後に裏切られること等…僕達には、到底知り得なかった



(再び実況ケイト)

今はもう7時半、時刻は少し早いけれど…式が執り行われることになった
でも…すっかり、盛り上がりムードだ


ついさっきまで…不安にさせたりもしたんだけれど……変わらない皆の態度が、温もりが、本当に有難かった(瞑目微笑)

いや…温もりは、もっと増したかもしれない
それごと嬉しく思う…^^//



そんな中…ひとりひとり、大事に結ばれて行った

抱擁を重ね、ハグを重ね…唇を重ね……
水場が許容(ゆる)してくれたことで――


『!』しゅるっ!
ぎゅっ!!

水が、俺達を、抱き締め合うよう、絡み付いてくれたことで…
お互いに、切っても切れない縁となる、と――そう告げられるままに


…――^^

抱き締め合ったまま、互いに満面の笑みを浮かべる
その中でも…水は、静かに寄り添い続けてくれていた

俺とフィンにも………



ついでに言っておくが、俺の魂の自我は女だ
俺という一人称で勝手に決め付けたりしないで欲しい

俺と言う女でも問題は無いだろうに…(嘆息)


勝手に早とちりして騒ぎ出す海底人達を前に、眉を顰めていた

申し訳ありませんでした!!
そう平謝りしてくる男性達に、俺はすぐに許した



だっていくら怒ったって、
過去が消える訳でも、傷が無くなる訳でも無いんだから

それよりもやるべきこと、楽しいことに専念した方が現実的だ


勿論、フィンも重婚式の相手にきちんと入っていた



どうやら――結婚式を挙げた後でも、更に受けることが可能だったらしい…それに俺達は大いに喜んだ^^//


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