第74章 融和
爆発した怒りの矛先は勿論、ヘスティア・ファミリアだった――
刺激を与えてしまった、とフィンがアイシャに謝ったのに対し←599ページ参照
弱体化の原因となった張本人である原作のベルは、責任のせも感じず、謝りも何もしなかった。
こちらの世界のベルは、謝罪したとしても
アイシャの言葉、善意と親切心によるものを食い物にするだけで、また繰り返していた。
原作のベルと同様、学習能力がない…
ウィーネが産まれた時点で出会うことが確定しており
それと同時に、市民も冒険者が実害を被ることも確定していた。
市民と冒険者はもっと怒っていい…と、今となっては思う
アイシャがベルの謝罪を受け入れた時、
ベルは…その善意を、食い物にするだけで…実際には何もしなかった。生かせなかった…
予知で、事態が起こる前に
様々なお膳立てをしてやっとこさ、迷惑行為を繰り返し実害を振り撒く実情を回避できる
といった所だった……
ルアンの怨みは消えた、神国防衛隊に所属した後で…
が…アイシャはまた別だった…←3679,3680ページ参照
それがわかったのが…
4日前の…沢田綱吉の件を相談した後のことだった……
ケイト「アイシャは…フレイヤ・ファミリアには怒ってないんだね…」
アイシャ「何だい藪から棒に(眉顰め)
当然だろう?
私の大事な…傷付いた戦友を…守ってくれたからね…←588ページ参照
理由はどう在れ、ね…
あんたのおまけだって構わなかったし、寧ろ…本当に助かった…‥
助かれば…なんだってよかったのさ、正直ね」微笑
ケイト「……そっか…」
アイシャ「………
実はね…期待してたんだ
助けてくれるんじゃないかって…
一般人同然となった私達を…」
ケイト「え?」アイシャの顔を覗き込む
アイシャ「なに…巻き込みたかった訳じゃないんだよ?
でもね…虚しくなったのさ
後になってから、謝るだけだからね
知っていても…なんにもしやしないんだ…
ガネーシャ・ファミリアに警護をお願いする訳でもない
まあ私がすべきことだったんだろうけれどね…
自分が仕出かしたことでこんな大事になって…
それで責任を感じる奴かと思ったら…そうじゃなかった…
何だか…盛大に肩透かしを食らった気になったんだ……←俯く
そしてやっとわかったんだ…」曇り空を仰ぐ