第71章 改革
さぞかし狂った馬鹿共のように見えることだろう。
社会や企業だけでなく、国全体で『メンタルヘルス対策』に重きを置けばいいというものを…」
ケイト「メンタルヘルス対策?」
アスフィ「この国がやっている、人を大事に、の劣化版です」
ケイト「?」
フィン「神国では、お互い関わる全てに気に掛け合って、自分のやりたいことをしている感じだ。
だが、それとは違って、一人一人が特定の一人を気に掛けるのではなく
偉い人、取り締まる人、上の人か専門の人と限られた人が気に掛けるだけで
全体が全体、一人を気に掛けている訳ではない。
それに伴い、学校や職場という閉鎖された環境でのストレス、孤独感、押し付け、偏見、プレッシャー等への恐怖、孤独感が増し、孤立し、自殺する。
世間体の目が厳しく社会的なプレッシャーがあることと、根が真面目すぎて完璧さを求めるから。
「社会人ならこうあるべき」「~ならこうあるべき」等、身内を始めとする「周りの目」が厳しく、
海外では個人主義なので我が道をいく楽観的な人も多い訳だが、真面目な人であればあるほど一定のレールから外れると生き辛くなり、引きこもったり自ら破滅の道に進む人も一定数いるのが現状だ」
ケイト「へえ、大変だ」
フィン「結局の所、人に求め過ぎるんだ。国民性が…
そこの意識改善、改革をしなければ話にならない。
孤独感、プレッシャーを与えるのは、そういう所なのだからね」
ケイト「そして破滅を呼ぶと…」
アスフィ「小難しい話にまで発展しましたが…
極論、いじめをなくすこと自体は非常に難しいかと…
まあ、ここのようにいじめたり虐げたり犠牲にしたり出来ない人達が集って作り上げた楽園なら別ですが」
ケイト「ふむふむ…
そう考えるといいこと無しだね。
いじめも、これが普通だと掲げて人へ求め過ぎるのも。
統一だって言っても、皆家庭が違うんだし、教えられる内容も常識も違うんだし、そんなの無理に決まってるのに。
個人を見ずに、押し付けて、無理に捻じ曲げようとさせて、壊れるまでやっておいて無罪を主張するばかりか、それが罷り通ってしまうんだから…
いじめって、麻薬と同じじゃない?
自分の価値観が正しいと複数から持ち上げられて、その快楽に酔いしれて、人扱いしなくても「いい人」とされる。
楽しいと思うのもそれで?」