第56章 プール大会
リリ「このシュノーケル…一体どうして水に浸かり切っているのに息ができるのでしょうか…;」う~む
シュノーケルを手に取って考え込むパルゥムの少女に
僕は海水ではない方のプールを指さし実験してみてはどうかと促した。
リヴェリア達も同様にシュノーケルによる水面移動の練習をし始め、数分と経たずにコツを掴んで順当に次の難関へと進んでいった。
僕と同じ名の道具(フィン)については、一切触れることもなかった…;
早く泳ぐのに向いている道具ということで一応薦めると、凄まじい勢いで貸し出し手続きと共にかっさらっていき、あっという間に28m先にあるゴール地点へ辿り着いた。
ちょうど時を同じくして…
ケイト「…」
「ウレイオス…たす…」ぐらっ
ケイト「!」
パシッ!
先程言っていた神と邂逅しており、倒れかけるそれを咄嗟に抱き止めた。
それとほぼ同時に、手に神の力を集約させて送り込んだ。
ケイト「……アルテミス…何があった?」
アルテミス「はあっ…はあっ」
ケイト「衰弱し切っているな;
前に持たせたお守りはどうした?
あ、もう5千年も前にもなるが;」
アルテミス「…ガイアの件は…知っている」
ケイト「!!」
アルテミス「大方…一番付き合いが長く、隠し事がうまいから託したのだろう?」
ケイト「……ああ」
アルテミス「…お前は…人には散々頼れと宣っておいて…全然…頼ってはくれなかったな;」
ケイト「…………済まない」俯
アルテミス「…いや…別に、責めているわけではない。
…私に……」
ケイト「?どうした?」
アルテミス「…力を…貸してはくれないか?」
ケイト「……
(お守りが無い所を見るに、それほどの相手(強敵)ということか)
ああ。任せろ!」
真剣な表情で頷くケイトに、アルテミスは満足気に微笑んだ。
そうして分身を作るとリヴェリアのもとへ送り、アルテミスと共に彼女の願う場所へ神の力で瞬間移動した。