• テキストサイズ

【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第4章 ウータイ、盗めない宝石


「お前が秘密を漏らした時から決まっていたのだ」
レノが死神のような笑みを見せる。
「俺達の手で葬り去られるとな、と」
青褪めたコルネオの目に、スイッチが映った。
「え、ええ〜い! こうなれば、道連れだ!」
一息に押そうとしたスイッチが、しかし次の瞬間、
「グワッ……!」
飛んできたナイフに裂かれたコルネオの手から空中へ投げ出され、レノが伸ばした手に滑り込む。
「いいタイミングだぜ。ルード、と」
一同が見ると、ダチャオ像の裏からスキンヘッドの男が現れ、ぼそりと応じた。
「……仕事だ」
「…さすが、……っ、」
笑い掛けたリオの視界が揺れた。
足首が引っ張られた、と思うと、両足を掬われ、地面を後方へと引き摺られる。摩擦と衝撃を止めようと伸ばした手首が、前方から掴まれた。
「リオちゃん!」
「あっ………ぐ、」
既に躰は地面の上に無い。
レノの真剣な顔が目の前にあった。
「……離すなよ、」
離すも何も、掴んでいるのはレノの方だったが、リオは僅かに頷いた。
「ほひ、お前だけでも…道連れだ、俺の、ヨメさん……!」
足元から呻くような声が聞こえて、ぞっとする。
振り払いたくても、物凄い重量が掛かっていてぴくりとも動かせない。重力に引かれ、じり、と近付くレノが舌打ちをした。
と、連続する銃声に足首が揺れ、すぐにコルネオの悲鳴が重なった。
「ほひいいいぃぃぃぃぃ……」
「お、邪魔モノが消えたぞ、と……」
そうしてレノに引き揚げられたリオは、崖の上で荒い息をついた。

* * *

クラウド達と別れたタークスの三人は、早々にウータイを後にした。
小型クルーザーの船室で、簡易ベッドに寝転んだレノが天井を眺めていると、書類から顔を上げたルードが、暫くの沈黙の後、声を掛けてきた。
「……リオ、と言ったか」
「あー、リオちゃん?」
レノはルードを見ずに相槌を打つ。
「………………気に入ったのか?」
随分悩んでルードが絞り出した問いに、レノはふっと笑った。
「リオちゃん、エロカワイイよな。ズブズブにハマりそうだぞ、と。…ただな……」
レノが半身を起こし、ルードを見る。
その目はもう笑ってはいない。
「あいつら、あの時、マテリア全部盗られたって言ってたよな?」
「………」
「…リオちゃん、召喚魔法使ってたな、と……」
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp