第18章 所属
「で、だ。
ナツキちゃん」
「はい?」
「飲み比べしようぜ」
「飲み比べ?お酒の?」
「あぁ。
ナツキちゃんが勝ったら、1つワガママを聞いてやるぞ」
「本当?」
「あぁ、やるか?」
「やる!」
飲み比べがイマイチよく分からないけど、まぁ、大丈夫そう...かな...?
「ナツキ、大丈夫かよぃ?」
「うーん、多分」
程なくして、サッチさんがジョッキに並々と注がれたお酒を持って来た。
「お、なんだ?
飲み比べやんのか?」
エースが骨付き肉を手に歩いて来る。
「そうなの」
「ふーん。
ま、頑張れよ...グー......」
会話の最中に寝るなんて、とても真似出来ない。
「ナツキ酒強かったのかい?」
「イゾウ兄!
よく分からないけど、1つワガママ聞いてくれるっていうし...」
「「「イゾウ兄!?」」」
「なんか文句でもあるのか?」
私をその腕の中に抱き込み、睨むイゾウ兄。
「あんまり飲み過ぎるんじゃないよ?
きつかったら残して良いんだからな」
「でも...残したらお酒が勿体ない」
「なに、大丈夫さ。
残ったらマルコが責任持って飲むからな」
「いつの間に仲良くなったんだよぃ、お前ら」
「マルコとサッチが食堂でくだらない言い争いをしてる時だよ。
身体が辛そうだったからマッサージをな」
と、マルコに笑いかけるイゾウ兄。