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おかえり〜I'm home〜(R18)

第14章 summer memory⑨





《及川side》


ーーー・・・


りおと手を握ったまま人混みを抜け、流れる川の上にかかる大橋の上まできた。そこでやっと俺は足を止めた。
なるべく人のいなくて、ちゃんとりおの耳に届くような場所に来たかったから・・・


「ど、どうしたの・・・及川さん」

俺の背中に問いかける、
少し荒い息を整える、りおの声・・・

繋いだ手に、きゅっと力を込める・・・
言うなら、今しかない・・・!

「・・・ってるから」

「え・・・?」

「〜〜〜〜っ!」

もう、かっこつかなくてもいい!伝えろ、俺!

「その浴衣、ちゃんと似合ってっから!」

俺が口にした言葉に・・・りおはぽかんと口を開いた。


「髪の毛も化粧もちゃんとしてて、可愛いって思う。顔が赤いのは・・・お前が綺麗だから、直視できなかったからだってのっ」

「・・・・・・・・・」


あ〜もう顔から火が出るくらい恥ずかしい。
こんな小っ恥ずかしいこと言ったことないよ!

でも、伝えなきゃ、りおには伝わんない・・・!
俺は腹を括った。


「さっき言ったこと、取り消せるなら取り消したい。・・・俺よりも素直に気持ち伝えてた国見ちゃん見て、焦ってたんだ・・・」

「及川さん・・・」

「国見ちゃんと付き合えばいいなんて、これっぽっちも思ってない。・・・酷い事言って、ごめん。だから・・・」

俺はりおの、赤く染まった頬に空いた手で触れる。


「だから、他の男の前で泣かないでよ・・・」

涙は・・・俺が拭いてあげたいから。
でもりおは、何故かキョトンと首を傾げた。

「え・・・?」

「え・・・?」

「私、泣いてないよ?」


・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・は?いや待って?

「国見くんと会って、泣いてたんじゃないの?俺のことで」

「え、確かにムカついたりはしたけど、泣くような事じゃないでしょ。ちょっといつもとは違ってたなって思ってたくらい」

確かにりおの顔はケロッとしてる。
え?じゃあ何?俺・・・

(国見ちゃんにはめられた!?)

りおが泣いてたとか、嘘だったのー!?

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