第3章 Amore
【翔side】
....意外だったよ。
俺、こいつでも欲情するんだって。
なんだ、俺、男でも簡単に勃つんだ♪
.....って、それって喜んでいいことじゃ、無いんじゃないか?
「...翔さん...俺..」
雅紀が潤んだ目を俺を向ける。
その先を強請る、欲情に縁取られた目...
その目に、俺の雄がしっかり反応してること...認めるしかないか~?
『お前には、勃たなかった』っていう断りの台詞は、もう使えない。
だって、持ち主が躊躇してるのに、下のこいつは臨戦態勢だし...
こうなったら、
覚悟を決めて、自分の気持ちに正直に...
俺は雅紀の手首をガシッと掴んで立ち上がった。
「ベッド行くぞ」
「翔さん!!」
嬉しそうな雅紀と、簡単に身体を拭き、腰にバスタオルだけ巻いて、寝室に直行した。
髪が濡れていたけど、そんなの構ってらんない。
この勢いのまま突っ走ってしまおう!
頭でいろいろ考えてたって始まらない。
身体が、『行け!』って言ってるんだから。
乱暴に、雅紀をベッドに押し倒した。
「...翔..さん」
「...お前の、そんな顔、初めて見たよ...」
「...誰にも見せたことありませんよ...翔さんだけです...」
「ふふふっ、皆にもそう言ってんだろ~?」
そう笑いながら、ゆっくりと、吸い寄せられるように、唇を重ねた。
大胆に、ストレートに迫って来るくせに、
彼の唇は、微かに震えていて...
そんなところもまた、俺の庇護欲に火を灯すんだ...
今ならはっきり言える。
...雅紀が欲しい...
擦り合わせていた唇を抉じ開け、舌先を滑り込ませると、雅紀は直ぐにソレを迎えて絡みつけて来た。
......部屋の中には、卑猥な水音と、
ふたりの、徐々に熱を孕んだ息遣いだけで。
粘着質な音はそのままに、首筋から胸の先に触れると、雅紀の身体は小さく跳ねた。
後はもう...本能の赴くままに...こいつを...俺は...
「あ...」
「へっ??」
「俺さ、何の用意もないよ...」
「用意..って?」
「えっと~、その、つまり...」
「つまり??」
「あ~///もう分かれや~!滑りを良くする、その...」
すると雅紀は、さらりと、
「ローションですか?それなら俺持ってます!」
...持ってるのかよ(。-`ω-)