第7章 まだ見ぬ世界へ
【潤side】
早速不動産会社に勤める友人に連絡を取って、物件を紹介してもらったら、会社から然程遠くないマンションの最上階がちょうど売りに出てるって聞いて、早速5人で見に行った。
そこはこのマンションの大家さんが住んでた部屋で、フロアを全部ぶち抜きにして一つの家にしていたというところで。
30畳はあろうかという大きなリビングと、部屋が3つ。
最上階だから眺めもいいし、なにより友人価格で相場より安くしてもらえるらしい。
「いいね、ここ」
すぐに賛成してくれたのは、ニノ。
「庭付き一戸建てがよかった~」
相葉くんはちょっと不満そうに口を尖らせたけど。
「だったら、通勤に1時間半はかかるけど?」
そう言ってやったら、口を噤んだ。
「みんなが定年退職したらそういうとこに引っ越そうよ」
「え?おじいちゃんになっても一緒に暮らすの?」
大野さんの言葉に翔さんがびっくりした顔をしたけど。
「あったりまえじゃん!」
大野さんにとびきりの笑顔で返されて、引き攣った笑顔を浮かべた。
そりゃあ、そうだよね?
ようやく捕まえたんだもん、一生離すわけがないんだから。
全員一致でその物件にサインして。
すぐに引っ越した。
3つの部屋は、じゃんけんの末、大野さんとニノ、俺と相葉くんでシェアすることになった。
「なんか…悪いな、俺ばっかり1人部屋で」
翔さんが申し訳なさそうにそう言うから。
「いいんだよ。その代わり、夜は毎日誰かが添い寝してあげるからね?」
肩を引き寄せ、耳元で囁いてやると、途端に真っ赤になった。
ふふふ、可愛い❤
「あ~っ!松潤ズルい!翔さんにエッチなことしようとしてる~!」
相葉くんが目敏く見つけて、間に入ってこようとする。
「やめろよ!」
「今日は俺が翔さんの相手なの!この間約束したんだから!」
「こらこら、ケンカするなよ!」
「「じゃあ翔さん、今日はどっちと寝る!?」」
2人で詰め寄ると、翔さんはぐっと言葉に詰まって。
俺と相葉くんの顔を交互に見つめて、黙り込んでしまった。
「どっちって、言われても…」
「じゃあ、さ」
「2人で可愛がってあげる♪」
両側から腕を掴んで、翔さんの部屋へと向かう。
「え、ちょっと…!」
「「いってらっしゃ~い」」
振り向くと、大野さんとニノが笑顔で手を振っていた。