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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第22章 スクリーンの中で


◇◆◇



目覚まし時計の電子音が鳴り響く頃、窓の外はまだ薄暗かった。

カーテンの隙間からは夜の暗闇が見えている。

大きく伸びをし、ベッドから起き上がる。

彼女にはもう少しだけ眠らせてあげよう。

これは勝手なイメージだが、彼女は寝起きの機嫌がとても悪そうだ。




そんな事を思いながら、彼女が眠っているであろうベッドをチラリと見た。

昨日、私が眠る時には気持ち良さそうに寝息を立てていた彼女。

そんな彼女が眠っていたベッド。

窓際に置かれたそのベッドに、彼女の姿は無かった。



嫌な予感がした。



私は直ぐさま携帯電話を手に取り、彼女へ電話をする。

鳴り出す呼び出し音に合わせ、彼女の携帯電話の着信音が部屋中に響いた。



温泉にでも入りにいっているのだろうか…。

いや、そんなはずは無い。



彼女が向かう先はあの場所しかない。

私はコートを羽織ると部屋を飛び出した。



昨日、彼女から受け取った日記帳。

その日記帳の最後のページにあった言葉。



『2月8日月曜日 死にたい』



私はホテルから直ぐの海岸まで走る。

もつれる脚に何度も転びそうになりながら。






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