第3章 ~秋~ 10月
その夜、私は自室で支度を終えた。
普段より、少しだけ大人っぽい格好。
久しぶりに付けたネックレス。
同室の友人は眉間に皺をよせ「悪くない」と、リヴァイの真似をして私を送り出す。
……これまで、彼の話をしすぎたようだ。
でも素直に笑えて、自信も持てた。
「行ってきます」
きっと
廊下を抜けて
この階段を降りて
あの玄関を抜けたら彼が待ってる。
……ほら、やっぱり居た
「こんばんは、リヴァイ兵士長」
「……お前、んな格好じゃ風邪引くぞ」
「ショール持ってきたから大丈夫ですよ。ありがとうございます」
笑って答えれば「そうか」と端的な返事。
でも、その声色はとても穏やかで。
とても心地よいものだった。