第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
そしてそう時間が経たない内に、政府の対策についての話し合いは滞りなく終わった。
恐らく15分も経ってないかもしれないが。
「おまえ……記録してたのか」
ローはふとユーリへ視線を向けると、議事録に色々書いてあるのが見えた。
「うん!見てみる?」
ユーリから記録書を受け取ったローは彼女の意外な一面を見て驚いていたが、その文章を見て思わず視線を逸らした。
危うく笑いそうになったので、視線を外すことで回避したのだ。
間違ってもこいつらの前では、そんな姿を見られたくなかった。
「ユーリちゃーん!私とお話ししましょう!」
そして会議も終わった感じになり始めると、すぐにラミアがユーリの隣にやってきた。
完全にノリが学校の休み時間である。
授業が終わると話にくる友達のようだ。
「あ、はい。ラミアさん…ですよね?」
ユーリはそういえばローとの関係があった人だったと今思い出し、リアクションに困っていた。
しかしそんなユーリに気にすることなく、ラミアは話し続けた。
前に会ったときはそこまで顔を見ていなかったしタイプなのかも気にしていなかった。
だが、もろに好みだと分かるとラミアの勢いは止まらなかった。
「ローみたいに難しい人ばっかり相手するのも疲れるでしょ?
女心なんてまったく分かってなさそうだもんね」
「てめぇ、本人の前で堂々と悪口言ってんじゃねぇよ。後ユーリに近づくな」
ローは舌打ちすると、ユーリを引っ張りラミアから離した。