第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
昼飯をローと一緒に取るようになって4日目の昼休み。
ユーリは医院長室の前で皿を持って立ち止まっていた。
2日目だけかと思っていたら次の日も普通に抱かれたので、流石の彼女も昼にこの部屋にくるとどうなるのか分かってしまった。
かといって昼ご飯を持っていかなければどうなるのだろうか。
またローは昼を食べずに過ごすのだろうか。
それとも宅配サービスでも利用させようか。
別にユーリもローとの行為が嫌いなわけではないが、場所が場所なだけに抵抗があった。
そしてユーリがぐるぐると扉の前で考え込んでいると、当然だが扉が開きローが現れた。
「てめぇ、おれを餓死させる気か」
眉をひそめてそんなこと言ってくる彼は、どっちの意味での餓死なのだろうか。
もしくは両方の意味かもしれないが、それなら自分でちゃんとご飯を食べて、早く帰ってきて事におよんで欲しかった。
忙しい彼がそれをできないのは分かっているので、ただの願望でしかないのだが。
そしてユーリが顔を引きつらせていると、ズルズルと部屋に引きずられていった。
もう、色々諦めるしかないようである。
因みに昼以降のユーリの色気が半端なかったので、狙う輩が増えた事実にローが再び頭を悩ませたのは、また別の話である。