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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第23章 呪われ




「安藤?」
「あ……お疲れ様。鋭児郎くんは、大丈夫?」
「え、あ、うん。俺は全然。」
「そっか、よかった。」


自分が心配して話しかけたのにこちらが心配されてしまったと少し悔しくなる。


でも、その口調も大人っぽくて、不安が加速していく。


「こんなとこでなにしてんの?」
「……外の空気でもって外でたらね、星が綺麗だったから。」
「そ、そっか!確かに綺麗だもんな!」
「……うん。」


安藤は、俺に一切目を向けず、星空を見上げたまま答えた。


確かに星は綺麗だが、それには今、集中出来ない。


安藤が、心配だ。


こちらに目を向けてほしい。
その思いはすぐさま行動に変わった。


俺は手を伸ばし、安藤の腕を掴む。


ぴくりと安藤の身が固くなったのを感じた。


「な…どうしたの?」
「や、あのさ」


安藤がこちらを向く。
大きな黒色の瞳が銀色に光って俺をとらえる。
その光は、儚く揺蕩う。


本当に知りたいこと。


安藤について、本当に知りたいこと。


「林間合宿に来てから、なんか無理してないか?」


オブラートに包むなんて、遠回しに聞くのなんて、苦手なんだ。複雑なことは、苦手なんだ。


「む、無理なんて」
「してる。見てたから分かるんだよ。」


腕の力をぐっと強め、目にも力を込め、安藤を見つめる。


安藤の目は一瞬こちらを見たあとサッと目をそらして、ウロウロと下の方で泳いだ。


「こっち見ろって。」
「んぅっ…」


腕をぐいっと引き寄せて、泳いだ目をがっちり捕まえる。


「俺は、安藤のこと、もっと知りたいんだ。」


今よりもっと。


「安藤の悩み。安藤の、個性。俺に教えてくれないか?」


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