第14章 青くさい春。
やり遂げた!という気持ちで注文した品を席まで持っていき、座る。椅子は少し脂ぎっていたけれど、そんなの気にもとめなかった。
「どうですか!初めてのマックは!」
「え、あっ!す、素晴らしいです!!」
「やったー!!」
温かいハンバーガーとジュース。私のはダブルチーズバーガーなんだとか……。
嬉しくなって、私のガラケーでパチリと写真を撮った。
「写真撮ってるの?」
「うん、なんだか嬉しくて…!」
「安藤まだガラケーなんだ。」
「うん。お金ないの。」
「わー切実だー!」
ふたりが食べ始めるのを見計らって私も、ハンバーガーの包装紙をめくり、ハグっと一口食べた。
油の味がして、チーズの味がして、パンの味がして、なんだか楽しい味がした。青春の味だ……。
口いっぱいにハンバーガーをいれてもくもくと味わった。美味しい。美味しい!!
「…安藤、美味しそうに食べるね…。」
「ふぉ、ふぉむ、ふぁ、むぁ?(そ、そうかな?)」
「うん、食べながら喋るのやめな?」
「……。」
言われたとおり、口の中のものを飲み込むまで黙った。口の中のものがなくなったので喋ろうと思ったが、もう一口食べてしまった。
あ。でもだって、美味しいの。みんなと食べるの、楽しいの。
ふたくち目をハンバーガーにつけた瞬間、三奈ちゃんが口に出した。
私が強引にフタをしていたコトの話を。
「そーいやさ、安藤!切島から告られたでしょ!あれ、どうしたの?」
「むぐっ!!?」