第12章 パズルピース
裕斗side
何日も経ったが、瑞希の体調は優れない。
またやつれてきた。
食べてないのか?
そう思っていたが、ふと、翔太の事が頭をよぎった。
『違法薬物』
いや…まさかな…
そんなことはないと自分に言い聞かせた。
けど、よく考えたら病院からの薬を飲んでいない気がする。
また繰り返すのか?
いや、そうはさせない。
俺は瑞希の部屋に入り込み、不審なものがないか探した。
引き出し、本棚、布団の中…
どこにもそれらしい物は無かった。
考え過ぎか。
そう思って部屋を出ようとした時、ベッドに下の何か引き出しのようなものが見えた。
なんだ、これ。
気になり、開けてみると中には大量の手紙。
ファンレターとかはここに入れてるのか?
瑞希は、本当に貰ったものは大切にする。
こんな所に入れてるのか。
ん?
手に何か違和感があり、封筒を開けてみた。
「っ!この薬…」
翔太が持っていたものと同じだった。
「裕斗君?僕の部屋で何して…あっ…」
「おい…これなんだ…」
「薬だよ…」
「それは見ればわかる。ただ、なんでこんな所に、こんな怪しい封筒に入ってるんだ?」
「どこに入っててもいいでしょ…てか勝手に部屋に入らないでよ。」
「そんなこと今はどうでもいい!何で違法薬物なんか持ってんだ!しかも結構飲んでるだろ!」
逃げようとする瑞希の腕を掴み、引き止める。
「い、痛いよ!離して!」
「答えろ!こっち向け!」
「嫌だ!離して!!」
必死に逃げようとする。
「なんだ?何かあったのか?…?!」
真広が部屋に入ってきた。
そして、俺の腕を取り、瑞希から引き剥がした。
「何やってんだ!裕斗!」
「…これ…こいつの部屋から出てきたんだ。」
「それ…翔太の時の…」
「そうだ。答えろ、瑞希。」
「瑞希…答えてくれ。」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
瑞希はただ泣きながら謝るしかしなかった。
俺達はこのままでは良くないと隼也と圭、入江さん、青山さんにも伝えた。
そして、俺ら5人と入江さん達で会議をすることになった。