第8章 白い椿
私朝餉の後に自室の前の縁側でさっきの事を考えていた。
あの幸村さんの冷たい目と言葉は何? あれも幸村さんなの?
幸村さんは天然で明るくて、優しくて、かっこ良くて、槍の鍛錬をしている時は輝いてて、時には子供の用で、一途な幸村さんが冷たい一面があったなんて知らなかった。
侍女なら何か知ってるかもしれないと思い庭で洗濯をしている侍女に話し掛けた。
侍女「私に聞きたいこと? 答えらることなら」
優実「幸村さんの事で、冷たい一面あったのですか?」
侍女は頷き答える。
侍女「はい、幸村様は冷たいですもう目で呪い殺せそうなぐらいに」
背中に寒気がしたすると後ろから聞き覚えがある声がした。
幸村「何を話してるのですか?」
振り返ると幸村さんがいて噂の主が現れて驚く侍女は、タライを抱えて去って行ってしまって二人きりになってしまった。
何時もの明るい幸村さんにみえる、私の手は震えていた。
優実「話の内容は幸村さんの噂話でたいしたことありません」
夕餉は大広間で食べるが佐助さんの姿がやはりない、あれは夢ではないようだ。
侍女と夕餉の支度をしている時に他の人にも聞いてみたが、みんな冷たいと言っている。
私はいつの間にか幸村さんのこと見つめていた気配に気が付き、こちらを向いてきて目を善に戻してハシを持つが落としてしまった。