第6章 終わりの足音
掴んだ肩をぐっと突き放して
俺を見上げる真っ直ぐな瞳から目を逸らした
そんな綺麗な瞳に俺なんか写さないで
そんな風に思われる資格なんてないんだから
「マサキさん…」
同情なんかじゃなくって、ホントに俺を想ってくれてんだって伝わる
だからこそ、曖昧な答えも優しさも残酷だってわかるから
「俺は、ちゃんをそんな風には見れないよ。
だから抱けない」
「好きになってなんか言わない!
1度だけでも…遊びで構わないって言っても?」
どうして此処まで必死になってくれんの
俺の何処を好きになったのか、全く分からなくて……
「遊び相手?なんないでしょ?
だいたい兄妹とヤっちゃうってどうなの?
ちゃんだってやでしょ~」
傷付けばいい
わざと軽薄なセリフを吐いて、真っ直ぐな想いを踏み躙る
溢れる涙を可哀想だなんて思っちゃいけない
だから、早く
この場から立ち去ってよ
「いやじゃない。…それでも構わない」
「え…」
ぶつかるようにもう一度抱きついてきて
柔らかい胸の膨らみが服の上から伝わる
今まで誰にも見せた事ないであろう、媚びた表情で俺を見つめる
一瞬、迷いが生じたのを隠して
わかってくれないちゃんを突き放すには、
もうこれしかなくって……
「本気で言ってンの?
じゃ、いーよ。遊んでやるよ」
「……」
「ホラ、全部脱いで。
脱がしてとかやめてね。面倒くさいから」
俺の事、引っ叩いたっていいから
お願いだから、嫌いになって