第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
気にしないようにして、パラパラと雑誌をめくっていく。
この頃、トップメイドアイドルとして特集されて以来、ほぼ毎号に掲載されるようになっていた。取材や撮影が本来の接客よりも多かった気がするなあ。
『メイドカフェ☆モエ~ル』の店自体の紹介と共に、全キャストのコメントつきの写真が掲載されているページを見つける。
いつもの顔ぶれが並んでいるので、思わず顔がほころぶ。順番に眺めていくと、ヒナちゃんを見つける。一番仲がよかったコ。どうしてるだろう?今でもメイドしてるのかな。
その下には、盛り付けのかわいい、美味しそうな料理の写真がいくつか載っている。
「モエ~ルは、食事が美味しい点も良いですね。しかも、すべてキャストの手作りなんですよね。採用試験に料理もあるということですか?」
「あ~、うん、まあね」
「あなたの作ったオムライスは、絶品でした」
「………そお?ありがと」
そう、名目上は、キャストの手作り。けれど、実のところは、敏腕シェフの存在が隠されているのだ。
あのオムライスを作ったのが、ゴツイ顔した太っちょシェフだなんて、絶対言えない―――!!