第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
次にステージに上がったのは、1年1組。元気な歌声が、ホールに響いていく。
このクラスは、いつも騒々しくて賑やかで、明るい笑い声が絶えない。
見た目はチャラいけど、実は真面目で気配りな学級委員のレオを先頭に、ハジける時はトコトン、ここぞという時には、全員で一致団結して力を発揮する。
盛り上げ役の中心は、ユーリ。ハッチャケ過ぎた時に締めるのが、アラン。そんな役割が自然と形作られていて、見ていて微笑ましい。
ま、イタズラが過ぎると言えるトコもあるけどね。だいたい、三人揃うとロクなことがない。
楽しそうに歌う彼らの様子を見ながら、苦笑する。
そして、最後に2年1組。
ルイの姿が見えると、ホウッと、どこからともなくため息の嵐が吹き荒れる。これは、いつものこと。どこへ行っても、何をしてもルイの周りには、声にならない声、静かなため息、羨望の眼差しで溢れている。
ルイを筆頭に、2年1組は個性の強い生徒が多く、とにかく目立つクラスだ。
指揮をするカイン。俺様気質で怒りっぽいところはあるけれど、面倒見がよくて誰よりも先を読み、全体を考えて行動できる、リーダー格。
そんなカインと対照的に、おっとりとしてフニャフニャした感じのノア。彼独特の雰囲気に包まれると、こちらのペースは、完全に崩されてしまう。そんな彼なのに、テストは常に満点、記憶力はいいし、最新のプログラミングを構築したとかなんとかで騒がれてるし。能ある鷹は爪を隠すの如く、彼の頭脳は、まさに天才的だ。