第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
「何してんの」
「はっ?え、うわっ、びっくりしたあ!!!」
突然、背後から声がして、驚いて振り向くと―――。
そこには、汗びっしょりのアランが立っていた。
「アラン、どうしたの?練習は?」
「………こっちが、先に質問してんだけど」
「え?」
「………ま、いいけど。休憩。タオル忘れたから、取りに来た」
アランが、部室に入っていく。
ロッカーを開ける音がして、すぐに閉める音が聞こえ………。
タオルで汗を拭きながら、再び姿を現した。
「借りればよかったじゃん」
「は?………誰に?」
アランが、何を言ってるんだといった顔つきをする。
「見学してる女のコ達。タオルどうぞ~って、言われなかった?」
「………言われたけど。自分のあるから、借りる必要ない」
「えー?わかってないなあ」
「何だよ、それ………で?マイン先生は、こんなとこで何してるんだよ」
「私は、見回り。ここ、部室になってるんだね。私、こっちの校舎に来たの初めて。この学園ほんと広いね」
「………それで、見回り、ちゃんとできてるわけ?」
アランが、呆れたように言う。
「ねえねえ、この強化合宿って何?その前の試合でMVP取ったから、選ばれて参加したんだよね?」
私は、アランの言葉を聞き流し、さっき思っていたことを聞いてみる。
「全国から選抜された奴が集まって、プロのサッカー選手に指導してもらった。俺らにとっては、すげえ名誉な合宿」
「え、プロのサッカー選手って!?すごいっ。あ、でも、それに選ばれたアランもすごいってことだよね!」
「………それは、どうも」
ふっと、嬉しそうに、少しだけ笑って見せるアラン。
………うわっ、なんだろう。
なんとなく、ドキドキしてしまって。
アランを直視できなくなって、再びガラスケースの方に目を向け、アランの写真に見入る。