第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
~サッカー部~
下校時刻の少し前。
私は、放課後の見回り当番へと向かうため、立ち上がる。
この学園に来た初日に、見回り当番をして以来だ。
今日が、二回目。
エアコンの効いた職員室と違って、廊下はムッとした暑さだ。
普段は開け放たれてる窓も、この時間はどこも閉められているので、風も入らず息苦しいほどだ。
太陽はまだ、ギラギラと照りつけている。
秋の気配なんて、まるでない。
毎日、暑いなあ。
あ。
階段の横に、自動販売機を見つけた。
何、飲もうかな。
コーラ………は、売り切れ。
オレンジジュース………も、売り切れ。
ちゃんと、補充しといてよぉ。
IDカードをかざして。
仕方なくスポーツドリンクのボタンを押す。
ガコンッ。
ペットボトルの落ちる音が、静かな廊下に響き渡る。
フタを開けて、ゴクゴクと飲む。
んー、美味しいっ。
冷えたスポーツドリンクは、バテ気味の私の身体に、絶妙に染み込んできた。
これにして、正解だった!
三分の一ほど飲んで、フタをして歩き出す。
ブラブラとペットボトルを揺らしながら―――。
グラウンドに面した廊下を歩いていると、ものすごい音量の歓声が聞こえてくる。
それは、ほとんどが女のコの声。
キャーッ、という、悲鳴にも近い声援で。
このまま歩いて行ったら、グラウンドが見えると思っていたけれど、突きあたってしまった。
………戻るしか、ないかな。
と、目の前に、非常口のようなドアがあるので、開けてみる。
鍵は閉まっていない。
ガチャリ。
途端に、キャーキャー騒ぐ声が、大音量に聞こえてくる。
完全に外というわけではなくて、そこは、屋根のある通路になってて、奥にまた校舎が続いている。
上を見上げると、二階も渡り廊下になっている。
雨の日も、雨にあたることなく、隣りの校舎に行ける。
渡り廊下を進んでいくと、グラウンドが見えてきた。