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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




ブランを少し口に含む。

………甘い。

見た目からして、ワインに近いすっきりとした味わいかと思いきや。

………途端に、クラリと視界が揺らぐ。

これ、かなりアルコール度数高そう。

口いっぱいに広がる、甘さと爽やかな香り。

絶妙な味わいのカクテルに飲み込まれそうだ―――。



「ルージュも飲む?」



結衣がグラスを差し出したので、受け取ってお互いの味見をする。



「………ん、こっちもおいしい」



ドロリと濃く、生々しいほどに血液のような様相のルージュは、フルーティで清々しく、いい意味で期待を裏切られた。

こんなに美味しいカクテルは、初めてだった。

これは、ヴァンパイアでなくても、やみつきになる味―――。



でも、どうして、ヴァンパイアなんだろう………。

映画や、小説によく登場する吸血鬼。

意外と人気なんだよね。

イケメンなヴァンパイアになら血を吸われてもいいって、思う人が多いのかな。

血を吸われる、なんて………気味が悪いんだけど。



なんだか、結衣の話し声が遠く聞こえる。

頭がぼんやりとしてくる。

………酔いが、まわってるのかな。

何の気なしに、カウンターの向こうにいるレオナルドさんに視線を向ける。

すると、彼もまた、私をじっと見つめている。

―――今度は、はっきりと確信する。



彼も、私を見ている―――。



ドクン、ドクンと、全身の血液が強く脈うっている。

―――なんだろう。

ここにいては、いけない。

なぜか、そう思う。

後戻りできないような、どこかに………なにかに、引き込まれそうで―――。







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