Lucky Sound ...and Light?
第1章 1
詩織は俺の胸にしがみついたまま、ふるふると首を横に振った。
詩織の髪の香りがふわりと漂ってきて、俺の鼻をくすぐる。
(・・・うわぁ・・・えぇ香りやん・・・やなくて!!)
「もう大丈夫やで、ほら」
頭を撫でながら言う。
(頼むから・・・離れてくれ・・・)
しかし詩織は離れるどころか、更に強く俺にしがみついてきた。
(───あかん、限界や・・・・・・)
俺の我慢は限界に達した。
俺は左手を詩織の背中から腰に回し、右手で髪を撫でながら頬に滑らせ、顔を上げさせる。
頬に触れた時、詩織はピクッと両肩を震わせたがそのまま顔を俺に向けた。
暗くて表情が見えない。
どんな表情をしとるんやろう。
雷への恐怖?俺への不信?
───もう、どうでも良い。
頬に置いた右手の親指で、スッと詩織の唇を撫でる。
「・・・ん・・・」
その口から甘い吐息が漏れる。
それが俺の最後のスイッチを入れた、
「詩織・・・・・・」
囁くように名前を呼んで、俺は唇を落とした。