第53章 猫とイヤミ
「イヤミさん。
何だかんだ言って、みんなのこと心配してるんですか?」
何故そうなるザンス!?
「シェッ!?な、なわけないザンショ!?
どちらかというと、小娘ちゃんの将来のほうが心配ザンス!」
「そうですか?
ふふっ、ありがとうございます」
クスクスと嬉しそうに笑う小娘。
まったく……調子が狂うザンス。
「……じゃあ、ミーは仕事探しに行くザンス」
「はいっ!
あ、じゃあ夕食頃またここに来ますね」
「……ま、またご飯作りに来るザンス?」
「え?はい!
イヤミさんにのたれ死にされたくないですから!」
ニコニコと警戒心なく笑顔の小娘。
胃袋で男心掴むタイプ……
ちょ、ちょっとドキッとしたザンス……
そんなこんなで、昼間は外で職探し、アパートに戻ると夕食を用意している小娘。
食事の間は六つ子と何をしただ、何の話をしただ、一体何が楽しいのかわからないザンスが嬉しそうに話す小娘の話を聞く。
まぁタダ飯食らってる身、小娘の小話を聞くくらいはしてあげるザンス。
「……で?チミ、一体どれの恋人なんザンス?」
「え……っ!?え、えっと……」
かぁーっと急速に赤くなる小娘。
「おそ松ザンス?」
「あ、あの……」
「カラ松?」
「いや、あの……」
「チョロ松?一松?十四松?トド松?
……???
シェ……ッ!?ま、まさか……」
「……っ!!!」
やけに動揺する小娘。
「シェ……ッ!?まさかあいつらまだ童貞ザンス!?
同じ屋根の下に血の繋がってない小娘が住んでるのに!?」
「……へっ!?あ、いや……っ、
いっ、イヤミさんには関係ないですっ!!!」
真っ赤の茹でダコ小娘。
「まぁ……関係ないザンスが……
チミ、結局誰のことが好きなんザンス?」