第5章 春の少女
「あなた、本当何なの!いきなり抱きついて、もうほんと、有り得ない!」
怒りが収まらない少女。
「ご、ごめん・・・リオに会えたのが嬉しくて」
流石に及川は急に抱きついてしまったことを詫び始めた。
「そうだよね、指一本、触れてほしくないって言ってたのに、いきなり抱きついたら怒るよね」
以前リオがドライブする際に出してきた条件を思い出す・・・
「指一本・・・?何のこと・・・?」
話が全くわかんない、と言うような少女に、及川こそ、きょとんとする。
「え、君さ・・・ほんと・・・」
リオなのに、リオじゃないみたいだ・・・・・・
「それに何で、リオの名前、知ってるの?」
少女の口から出た、思いがけない言葉、だった・・・・・・・・・