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songs(R18)

第27章 ep1 昼下がりの出会い





―――…

「ハァ…ハァ…あ~怖かったさ…」

結局、ホールまでを抱き抱えてきたラビは、を降ろすとそのまま床に倒れ込んだ。

「あんなにキレたユウ見たん、久しぶりさ~」

も変に汗をかいていて、まだ鼓動が速く打っている。

「あの、さっきの人は…」

はラビを向いてそう尋ねた。
上半身を起こしラビは口を開く。

「ユウの事さ?」

「あ、はい。執事の方ですか?」

「執事~?あんなのが執事だったらうちの御主人はノイローゼさ」

ラビはひらひらと手を振った。

「じゃあ、あの人は…」

「本名、ユウ・D・ティエドール。この屋敷の次期当主さ」

「…ええ!?」

は思わず口元を押さえた。


そんな様子の彼女を見て、知らんかったさ?と首を傾げるラビ。

は目を見開いて先程の羞恥を思い出す。

勝手に部屋に入り込み、
仮眠を邪魔したあげく、次期当主である彼を執事と間違えてしまった…

これほどない最悪の三拍子…


「ま、まずいですよね…私…」

初日から
大変な事をしてしまった。

「まあ、ユウは寝起きが最悪だからな~」

「ク、クビになったりしませんか…私…」

今にも泣きそうなを見て、ラビは笑った。

「まさか~そんな事でクビになってちゃ、俺が何人いたって無駄さ」

ラビの明るい様子に、は安堵の息をついた。

「…よかった…」

「まあ、あんな短気な奴だけど、いつ帰って来るかわからない伯爵の代わりに、一生懸命仕事してる奴だから、これからよろしくな」

「…はいっ」

悪戯な猫によって彼に出会った昼下がり…



そこから少女の運命の針は時を刻み始めた…



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