第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
百面相はどっちよ。
怒ったり
真顔になったり
優しい顔になったりさ…
ホントに…全く
『…ただいま、京治!』
好きが溢れて止まらない
シッカリ抱き着き
涙でシャツを濡らす私
「すぐ泣く…
泣かさない為に帰って来たのに…
ただいま…姫凪」
『京治も泣いてるよ?』
「…良いんですよ、俺は
嬉しくて仕方ないだけなんで」
『なら、私も良いでしょ
京治にだけしか見せないから
…おかえり、京治…
もう、待てない
連れてって、ベットに』
「…同じ事を考えてました
行儀良くないですが
…片付けは後程にしましょうか」
『うん…賛成』
お互いの熱い気持ちが
解けた涙を拭い合いながら
身体をこれでもかって引っ付けて
食べ散らかした物を背に
リビングから出る
片付けなんかいつでも出来る
だってもう
時間に終わりはない
寝ても覚めても
例えまた喧嘩したとしても
私達の時間は
何度でも動き出す
ただいまとおかえりは
これからも続くんだから
ね?そうでしょ?