第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「赤葦ー!飲め飲め~!」
「飲んでますよ
木兎さんはそろそろ
止めておいた良いんじゃないですか?
明日起きられませんよ」
「起きられ無かったら
ここで二人の帰りを待ちマス!」
避けられない深酒に
諦めのため息を吐いて
「姫凪さんは
無理しないようにして下さいね
明日もお仕事なんでしょう?
そろそろノンアルコールにしませんか?」
ノンアルコールカクテルを奨めるけど
『大丈夫デース!
これくらいじゃ酔いません~』
あっさり断られ
梅酒のソーダ割りに伸びる手
豪快にグラスに移した事で
勢い良く泡が弾ける
仕方なく俺も酒に口を付けつつ
さりげなく姫凪さんのグラスに
氷を足して少しでも薄める作戦を実行するけど
「いや、本当に飲みすぎですよ
二人とも!」
そんなの追いつかないくらい
ペースが早い二人
『良いの!なんか酔えないんだもん!
ね!光太郎!』
「ん?お、おう!
これくらい余裕…!」
『ほらね、京治も飲もう!』