第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
「どないしてん?
そない話したないん?」
これは無理矢理聞き出さなアカンのか?
手荒な事はしたくないけど
俺得でもあるし…
いっその事…いただきま…グェッッ!!
「な、なんで
そんな普通なんよ!!
姫凪の事
抱き締めてたくせに!
ドキドキしてたくせにっっ
昨日も今日も
いつも通り過ぎて…
訳分からんくなる…
抱かれたいけど…モヤモヤする!」
俺の不埒な考えを蹴散らす
渾身の頭突きが
溝落ちにキマリ
機関銃の様にサクラの声が
突き刺さってくる
え?昨日からなん?
ちゅーことは…ちょい待ち…!
まさか…?!
「昨日…見てたんか!?
いつから見とってん!」
どれを?なにを?!
「二人の秘密ってなんなんよ…
あんな目…して…
姫凪の事…抱きしめんといて…!
信じたい…信じてる…でも…苦しい…!」
全部とか…エグい事すんなや神様。
一番アカン所から
サクラに見られてたとか
マジで俺を嫌ってるとしか思われへんやろ