第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「サクラ、大丈夫か??
やば…外もう暗いやん…」
何度も抱かれて
気付けばいつもの解散時間を
とっくに過ぎていた
「ホンマや…姫凪帰られへんくて
困ってるやろか…」
放り出したまんまの鞄から
携帯を取り出すと
姫凪から何件か着信が残ってた
「…やってもたな…
大丈夫か?帰って来た姫凪に
怒られへんか?
俺も一緒に謝ったろか?」
「ふふ…何て言うつもりなん?」
ディスプレイを覗き込んで
ゴロゴロと甘えてくる治くんに
チョット意地悪く微笑むと
「そのまんま言うで?
サクラが気持ち良くて
離せんかった、ゴメンナサイって」
さっきの憂いが嘘みたいに
幼く優しい笑顔