第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
余裕なわけないやん。
限界やで?
そりゃもうパンツやばいくらい。
でも、俺は姫凪に
欲しがられたい。
もっと"俺"を。
アイツじゃなくて
俺だけを欲しいと
心から叫んで欲しいねん
『侑…なんかな…
メッチャ…変やねん…
怖いのに…もっとって思ってまう』
な?こんな姫凪見る前に
がっつくの勿体無いやろ?
味わって
「怖ないって…
姫凪…俺ももっと欲しい
口、そのまま緩めとき…」
『…ッン!んぁ…!』
「こら、俺の舌噛み切るつもりか?
姫凪、大丈夫やから
絡めて来ぃ」
味わい尽くさな、な?
ユックリ舌で割った唇
さっき噛まれそうになった
歯の並びを確認する様に
舌で歯列をなぞる