第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
”もしかして”
いや、アカン。
そんなんして何になんの?
『サクラ?』
「…なんもあらへん。
ほな、持っていくな」
『ん、ありがと』
お粥を受け取り
治くんの部屋に足を踏み入れる
濃厚になる治くんの香りに
ドキドキと高鳴る胸
ソッと近付いて
眠る顔を覗き込むと
熱い息を荒く吐き出してて
セクシーで
キュッと胸が熱くなる
だから!相手病人やから!
「治くん?
お粥出来たで?」
煩悩がよぎり過ぎる頭を振ろうとした
その時
「姫凪…おいで…」
苦しくも甘い声が
私の脳をフリーズさせる