第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「…と、言うのは聞かなかった事にして。
治が姫凪にお熱なのってさ
サクラと違って
素直で気持ち伝わってくるからだと
思うんだけど」

…そっちを聞かなかった事に
出来へんやろか。

「あ、地雷？ごめん
でもさ？裏を返せば
簡単じゃね？
素直にガンガン行けば
道は開ける…って昨日
考えてたんじゃなかったっけ？」

そうや。
行くって決めた。

でも、私の決心なんか

「治くん…迷惑そうやった…
私が思うよりずっと…
姫凪が好きで
私の気持ちは…負担やった…」

たった一言で揺らぐ弱いモンやった