第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
「はいはい。行くよ。」
強引過ぎるキツネ顔の彼に
引き摺られる様に手を引かれ
カナリの距離を歩かされ
坂の多い住宅街をしばらく歩いて
小さな川の流れる公園が見えた所で
「そろそろ良いかな?
ここまでは双子の片割れ(アツム)も
出張ってこないだろうし
さて。ジュースで良い?」
パッと手を離される
「え、いえ…お構い無く…」
「こういう時は
ラッキー!でいいんじゃねぇの?
少しくらい図々しいくらいが
アンタには丁度良いと思うけど?」
私に適当に買ったジュースを投げて
おっほほ、と独特に含んで短く笑う