第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
布団にくるまり
ひとしきり泣いた後
部屋を出てリビングに入ると
治くんが作ったご飯がポツリと
”ごめん”とか書かれた
紙の上に置かれてた
ハジメテの手紙やのに
悲しいね
悲しい手紙やのに
いつもの治くんの字を見ると
ほんの少しだけ暖かくもなるのが
尚更悲しい
涙と一緒に飲み込んだオカズは
塩辛くて
また泣けた
「ただいま」
食べ終わったお皿を片付けてると
帰って来たサクラ
『おかえり』
振り返る私に
ズンズン近づいて来て
そっとオデコに手を当てる