第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
やっぱりサクラの気持ちを考えたら
治くんと二人切りはアカンよね…
携帯を伏せてベットに突っ伏すと
仄かに香る侑の匂い
『…落ち着くねんな…ヘンなの…
ヘンな奴…
ヘンな私……』
侑との時間なんか
思い出す事なかったのに
しかも…
『なにドキドキしてんのよ
信じられへん…尻軽か!』
あの漢っぽく迫る侑を
思い出すと顔が熱い
あの私を宥める侑を
思い出すと胸が熱い
ホンマ…勘弁して…
考え過ぎて頭が重たくなり過ぎた
その時
「姫凪ー?」
サクラの声が部屋に響いた