第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「可愛ないな！
ホンマ…姫凪やなぁ…」

可愛ないも
”ウソや”って言いそうなる

首を振って
しっかりせぇ、と自分に
必死に言い聞かせてると

『エエよ…好きな人に
可愛いって思われたら…
…私は私、やし…』

俺の腕の中でボソボソ話し出す姫凪

「ん？」

『そう思って治くんだけ見てた
治くんしか見てなかった…
だから…気付かれへんかってん…
サクラも…治くんが…』

声が詰まって
胸元が涙で湿っていく